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「っ………」
俺が呻きを喉の奥で静かに鳴らした時だ。
「ごめんキョン。痛かった?」
「いや、痛くない」
「そう……い、痛かったらちゃんと言うのよ!」
さすがのハルヒも、俺のデリケートな部分を扱っているからか慎重になっている。膝枕に頭を乗せ、時折感じる馥郁に安穏とした平和と幸せを享受している上に、さらに普段見れないハルヒの意外な一面を俺は間近で堪能している。長門も朝比奈さんも小泉も破天荒な団長を制御するために必要不可欠な存在だが、今ばっかりは誰も部屋に来ないでくれと心から願うばかりだ。見られたら恥ずかしくて、水蒸気を噴出する間欠泉のようになっちまうのが理由の一つだが、もう一つは……ええい、やっぱり言うのはよそう。今はそんな些末なことを考えるより、この時間を大切にする方が先決だ。
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