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そこには、アベルといわれた(今は忘れてはいるが)青年がたっていた。
「今回の任務には不満のようだな」
「そんなことは・・・ない」
「より良い未来のためだ」
「わかっている」
「着いたみたいだ。いこうぜ」
「ああ・・・」
「ここか」
アベルとシンは貴族の館に着く。
家の大きさから裕福であろうことがうかがえる。
アベルがその家の扉を叩く。
「はい、どなたでしょう」
足を引きずった中年女性が姿を現す。
不審そうにこちらを見ている。
(俺はこの仕事は好きではない。しかし命令なら・・・敷かれたレールには逆らえない・・・か)
「寺院の者だ、ノエル殿ですね。
あなたの家に徴集がでています。」
「徴集ですって?そんな、何かのまちがいでしょう?」
そこまでいいアベルの表情をまじまじと見つめる。
だが、アベルの表情はそれが間違いなどではないことを物語る。
それを見たノエルの表情が一変する。
「主人は足が悪いんです。それに・・・」
そこまで言いかけたとき、手には杖を持っている。
その杖に体重をかけながら、足を引きずりながら、館の主人が姿をあらわす。
「誰か着たのかい?ノエル」
「ここのご主人ドグさんですね?」
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