227人が本棚に入れています
本棚に追加
これも彼の意図によるものだった。
不敵な笑みを浮かべ、シックスを見上げるセカンド。
「!! そうか、地下か」
シックスも納得したのか、地上の瓦礫を睨み付けた。
瓦礫を利用し、地下への入り口を塞いでいた女が、セカンドのその独り言に身体を揺らし、恐怖からか、焦りながら塞いでいた瓦礫をどかし始める。
―!! ちょ、マジ? そんな事されちゃったら、私死んじゃうじゃない!。―
「行きますよ!!」
いよいよセカンドが瓦礫に向かい拳を振りかぶった、その時、たまらず姿より先に声を上げる女。
―待って待って…… やめてよ。―
ガラッと、やっと瓦礫を掻き分けながら、一人の女が地下から這い出てきた。
「…… 早かったな」
シックスは上空からその様子を見下ろし、やがて無表情のままに静かに地上に足をつける。
―……はぁ。―
女はため息とも言いにくい、力無い息を口から漏らし、ベッタリと地べたに座りきっていた。
シックスはセカンドに歩み寄りながら口を開く。
「セカンド……」
「分かっているよ。
お嬢さん、今すぐあなたを殺すわけではありません」
セカンドも柔い笑顔のままシックスに振り向き返事を返すと、そっと静かに咳払いをし、女の前に詰め寄ると淡々と話しかけた。
最初のコメントを投稿しよう!