『私』

2/12
前へ
/341ページ
次へ
彼等はイレブン'S Children。 『彼』山笠.J.シド、独裁者にしてこの人間狩り、いや、“女狩り”を命ず『狂い』の者。 そして、イレブン'S Childrenの産みの親。 彼等は精巧に創られし人形と言う傀儡。 人間と相違無い存在。 かつては、喰い潰されると分かって居ながら他国に頼ろうと運動する他国派勢力と、この國の自立を目指そうと運動する独立派勢力に分かれ繰り広げられていた内乱を治めたと言う、イヴ(第1番目の女)ファーストレディの仲間だった彼等。 イヴ ファーストレディは、自らすすんで山笠.J.シドのある実験体となり特殊な力をもったとされ、その不思議な力でイレブン'S Childrenと共に、多くの人人を救ったと言われている。 だが内乱が治まって直ぐ、この國は暴走し始めたのだ。 彼の狂いによって……。 内乱を鎮めたイヴ ファーストレディは、山笠.J.シドにより画策されたあらぬ濡れ衣を着せられ、公開処刑に処されてしまう。 彼女は愛するものを守るため、その濡れ衣を着、又自らすすんで公開処刑を受けたのである。 こうしてイレブン'S Childrenも眠りにつくこととなり、いつしか、目を覚ました頃には“女狩り”を実行する山笠.J.シドの人形となり果てていた。 嘗ての英雄が悪にすり替わり、世界は動揺と混乱の色を見せ、その“隙”をすかさずついたシドに、いつしか世の中の均衡は傾き、独裁国家を止める術無く、奇しくも強大な力に屈してしまったのだ。
/341ページ

最初のコメントを投稿しよう!

227人が本棚に入れています
本棚に追加