ロイの冒険

11/36
前へ
/90ページ
次へ
□■□ その夜の夕食が済み、ロイが部屋へ戻ろうとした時、恭子に呼び止められた。 「お兄様、これあげる。」 「ん?」 見ると、それは四葉のクローバーだった。 「ありがとう、大切にするよ。」 そんな可愛い妹にお礼を言い、ロイは四つ葉のクローバーを胸のポケットに入れてあった手帳に挟んで入れた。 「昼間のお礼。それと、ちょっといいかしら?」 何やら耳打ちしたがっているので、恭子の背の高さにかがんで耳を出す。 「ん?なんだろ?」 「リリイを宜しくね。」 「リリイ?」 「あの仔犬に名前を付けたの。」 「ああ、分かったよ。リリイに、何か食べ物を持っていこう。」 そしていきなり恭子がロイのホッペに『チュ』とキスをして、ロイはビクッっと驚く。 「わっ」 可愛い過ぎる予想外の出来事に、兄は驚きを隠せない。
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加