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「エクスカリバーとは、お日様の様な輝きを持ち、鋼鉄をも切り裂くことの出来る伝説の剣。またその鞘は、どんな傷をも癒すことの出来る魔法の鞘なのよ。だから皆が欲しがるの。
そもそもエクスカリバーは、湖に住む妖精達が大昔に作ったとされていてね。
その湖とは、丁度そこの裏山を越えた所にあると言い伝えがあるのだけれど、無闇にそこへ近付く事は許されないのよ。
何故なら、途中には湖を守る二体の巨神が待ち受けているから、村の人々は絶対に近付けない。でも、このベイカールソン家だけはそれが許されているという話さ。」
そこまで話すと、待ちきれない子供達が騒ぎ始めた。真っ先に声を上げたのは、頭の切れるロイだった。
「そういえば、森で行方不明者が何人も出てるって大人達が話してるのたまに聞くけど、そのせいかもしれないね。」
「じゃ、あたし達があの森に入っても平気なの?だって、許されてるんでしょ?」
子供達は『許されている』という言葉に、自分達が特別な存在なんだと解釈し、それを誇りに思った。しかし、お婆様は予想を裏切り首を横に振る。
「いいえ。私達でも、何も知らなければあの山に入る事は危険なのですよ。だから無闇に入ってはいけません。」
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