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「えー、何で?特別なんでしょ?」
ロイは期待外れの答えにがっかりし、納得が行かなかった。
「入るにはきちんとした沢山のお勉強と、準備をしなければならないのよ。」
「はい、お婆様。僕、勉強好きだよ。」
それに対し、恭子が質問する。
「何を準備するのかしら?」
「そうね……」
お婆様は、この話を一端止めた。
「ワタナベ、紅茶を入れてきてくれないかしら。あと、子供達には何かジュースをお願いするわ。」
「はい、かしこまりました奥様。」
ワタナベは一礼し、すたすたと屋敷へ向かう。お婆様は、ワタナベが去ったことを確認すると話を始めた。家の者以外、この話を聞かせたくなくて人払いしたのだ。
「先ずは、呪文を沢山覚えなければなりません。そして、準備は簡単。自分の大切にしている何かを1つだけ持っていくのよ、巨神にあげるためにね。最初に出会う巨神は木の巨神で、出会ったら”フェイーゴパチナン”という呪文を唱えると通してくれる。この呪文に、危険は無いわ。」
お婆様がそこまで言うと、恭子がおどけて冗談を飛ばす。
「苺パフェなら大好きよ!!エヘヘ」
すると一同大笑いだ。
笑い声が治まった頃、お婆様は話を続けた。
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