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「あったんだけれどー……、んーえーっと、何だったかしら、お婆様ももう歳ね、忘れちゃったわ。ごめんなさい、何だったかしらね。」
お婆様は、随分申し訳ない顔で2人に謝った。そんなお婆様の顔を見るに耐え兼ね、ロイが素早く応対する。
「ううん、そんな事無いよ。お婆様のお話、とっても面白かったよ。」
「お婆様、お話ありがとう。」
この様に優しい言葉を孫達にかけてもらい、その子供達を見て満足するお婆様であった。
「いいえ、どう致しまして。でも呪文は、もっともっと沢山あるのよ。それらを知らなければ危険なのですよ。」
締めくくりに危険であることに釘を挿す。
「呪文は、どうやって勉強すればいいの?お婆様。」
「たしか、物置か何処かにあると聞いてるけれど、お婆様も見たことも無いわね」
「今度探してみてもいい?」
「ええ、良いわよ。」
ロイは、その本を早く見てみたくてわくわくした。なぜなら、それは世界中のどんな本にも書かれていない、誰も知らない未知なる知識が記された貴重な物だからだ。
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