第0話「月夜の海辺」

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「おーよしよし、いい子だ」 すっかり砂だらけの体を 揉む様に撫でてやると、 嬉しそうに僕の顔を ネトネト舐め回してくる。 「…ぬんw止めろよw変な声が出たろうがw」 物凄くくすぐったくて、 ジローをたしなめながら 腕で顔を拭くと、今度は 顔がザリザリし始めた。 うえ…砂じゃん… 謀ったな、この犬めッ! そんなご主人を 全く気になんかせずに 砂を掘り始めるジロー。 「…全く…ここ掘れワンワンてか?」 半ば呆れて愚痴がこぼれる。
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