「何で居るし。」

4/6
前へ
/8ページ
次へ
「…チッ…テメェら、んな所で何してやがる。」 黒堕となった。 立海メンバーは、開いた口が塞がらない様子。だが、ある人物が、変な沈黙を破った。 「えと…琥珀さん…ですか?」 幸村だった。 「はぁ?なんであんな出来損ないと一緒にされなきゃいけねーの?俺、そこまで落ちぶれてねぇんだけど。大体、顔が似てるからって、髪の毛の色とか違うのに気付かないわけ?とうとう目が死にましたか、そうですか。じゃ。」 さっ。と、今来た道を戻る黒堕。 「ま、待ってくださ…!」 もうそこに、黒堕の影はなかった。 「………確か、あの人…琥珀さんのお兄さん、ですよね…」 レンが悲しそうに言う。 「レン…」 「あの人、"自分の家族"なのに、あんな風に言わなくても良いんじゃないっスか?」 ぽつり、ぽつり、と、呟く様に言うレン。 「………でも、彼は…ううん、彼らは"存在してはいけない存在"の筈なんだ。ある人が言ってたんだ。」 幸村が、思い出す様に言う。 「確かに、酷い言い様だったかもしれない。でも、今から話すこと…受け止めてくれるかい?レン。」 こくり。と、頷くレン。 「じゃあ話すね。」 大きく息を吸うと、幸村は話始めた。 ある所に、古い研究所が在ったんだって。その研究所、クローンって言って、人の因子とある人の持ってる様な因子を組み合わせて、合成人形を作る場所だったらしいんだ。今は無人だけど、まだ残ってるんだって。 ある人は、その研究所の中で、あるモノの合成を見てたんだって。 ある人はこう言った。 「これで、また犠牲が増える。」って。 どういう意味か、分からないでしょ?でも、ある人はまだ言葉を繋いで言ったんだ。 「コレらは、いつか暴走する。」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加