「何で居るし。」

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「貴様ふざけているのか?殺すぞ。」翠色の髪の青年が言った。 「殺す、ねぇ。」ある人は苦笑気味に言った。 「何故殺されるかもしれないのに、笑ってられるのですか?」藍色の髪の青年が聞いた。 「さあな。」 ある人は、ギシリ。と、歪ませた音を出し、椅子から離れ、二人から離れた。 「何処へ行く。話はまだ終わってねぇ。」 「我が祖先の場所だ。着いて来い。」 がちゃり。と、ドアの取っ手の部分が回された音がする。 「このお方が、我が祖先だ。」 卵型のポットの中に入った人形の様なモノ。 スッとした、細くか弱そうな華奢な身体。肌と睫毛や眉毛は白く、人形みたいな人物。いや、人物と呼んで良いのか分からないくらい、目を閉じた顔が美しかった。 「アルフォード・レーヴァーテイン様、お目醒めの時間です。」 《もう…そんなに年月が過ぎたのか。》 「はい。」 《………了解した。》 ゆっくりと、ゆっくりと、目が開かれる。 彼らは、驚いた。 何故なら…彼女には、彼女の小さな目の中には… 光が無かった。
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