自殺

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生きなければ。 そのためには家賃が必要。 打開策を必死に考えた。 もうひとつしか方法がなかった。 そこで、ある大手の会社へむかう。 俺を家から追い出した、桑田 大吾。俺の父に金を貸してもらう為に。 クワタ株式会社 という大手、製品開発会社にむかう。 会社につき、フロントの人に、話しかけた。 「すみません。私、桑田 時空 と申します、社長の桑田大吾に息子が来たと取り付いで欲しいのですが。」 「はい。ただいま取り次ぎます。 しばらくお待ちください。」 とフロントの人は奥にある電話に手をかけ、社長にとりついでるようだった。 「おまたせいたしました。 このカードを持ち、16階にある社長室に向かってください。」 「ありがとうございます。」 てきとうに返事を終えて、社長室に向かった。 社長室の扉を前にして覚悟を決めてノックした。 トントン。 「息子の時空です。」 「はいれ。」 扉を開けた。 社長椅子に座り威風堂々としている父親と対面した。 部屋に入り顔合わせるなり 俺はすぐさま土下座した。 土下座しながら、全てありのままを話した。 「土下座やめろ。時空。立て。」 「おまえを家から追い出したのは、自立して力つけて俺の後をついで欲しかったからだ。」 「未遂で終わってよかった。」 悩む表情した後 「わかった。これをもっていけ。」 封筒を渡される。 「百万ある。これでなんとかなるだろ。 もう貸さないからな。 頑張れ。」 封筒握りしめて、その場で号泣した。 自分の情けなさに。 「もらっていきます。 ありがとうございます。」 と語り、会社を後にした。 その時何故、不可思議な話したのに、納得したような表情をしながら、疑問一つ返さない。 理由がわからなかった。 時空が去った後。 「 時空。その時がきたようだな。」 満遍な笑顔を浮かべて大吾はゲラゲラと笑った。
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