love

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「…ねえ、先輩?」 ここ、屋上には私達以外誰もいない。 普通ここは立ち入り禁止になっているのだが、どうしてか、私がふらふらと立ち寄った時には空いていた。 一度そのわけを聞いてみたことがあったけど、はぐらかされたのでやめた。 偶然出会ったあの日も確か、彼はこうやって寝そべっていたんだ。 気持ちよさそうに目を細めて。 ここに辿り着いた私を、彼は嫌がるでもなく受け入れてくれていた。 友達もいない私にはここは居心地が良くて。 安心出来る場所で。 ほとんど会話は交わさないけれど、私は当たり前のように彼が好きになった。
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