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窓の外には青い空が広がり白い雲が漂う。
平和の代名詞とも言えようこの穏やかな光景に鈴村恭は欠伸を噛み殺す。
夏休みを目前としているこの午後は妙に気だるく、受験生でもある恭のやる気を削ぐ。
校庭の木にしがみつく蝉がこれでもかと言わんばかりにうるさく鳴き喚いている。
恭の通う青葉高校は中高一貫ではあるものの、どこにでもあるような平凡な学校で、偏差値は低くもなく、かと言って高いわけでもない。
部活の成績もそこそこ。
いいとこ県大会ベスト16くらい。取り立てて目立った特徴もない。
その、何の変哲もない高校でも結構人は集まるもので、毎年の入学者の倍率はそれなりに高い。
平凡や普通を求めて、人々は集まる。
恭のそこでの生活も、もう6年目に入った。何事もなく、毎日をそこそこ楽しんで、部活をして、時には勉強もして……。
ここの生徒の殆どがそうであるように、平凡な日々を送っていた。
そう、平凡だったのだ。今日までは………。
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