第一章 システム作動

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2015年 六月二九日 十四時 首相官邸 男「野谷総理。作動準備が整いました。何時でも作動できます。」 野谷「………。山田、もう一度確認してもいいか?」 山田「? はい。」 野谷「本当にファリキスが世の中に知れる事はないのだな?」 山田「勿論です。何度も死刑囚を使って実験がされました。首相も実験結果を御覧になったではないですか。それに、この薬は完全犯罪を起こす事が出来る唯一の薬。世の中に出回れば悪用されてしまいます。」 野谷「その完全犯罪を政府、国の中枢が起こそうとしている。殺人だ。いや、集団殺人と言うべきかな。」 山田「首相。それについては何度も話し合ったではないですか。国の為です。この計画が成功すれば、日本は美しい国になります。」 野谷「そうだな。……国の為の犠牲か……山田、十五時よりシステム作動だ。」
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