第一章 システム作動

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命立高校 三年教室 3限目昼休み 十三時 少年「はぁ~。点数が…………俺このままじゃヤバイよな~。」 ざわざわと騒がしい教室の中、一番後ろの右端の席で机に突っ伏す少年がいた。手にはクシャクシャになった紙が一枚。 ガラガラっと教室に男が入ってきた。教室中の生徒はちらっと男を見るが、また友達との話に戻っていく。 入ってきた男はそれを気にする様子も見せず、一番後ろの右端の席に向かった。 入ってきた男「達也~!飯買いに行こ!」 達也(少年)「食欲ない。」 入ってきた男「なんだよ落ち込んでんのか?そんなに点数低かったのかよ。」 達也「圭介こそ何点だったんだよ!」 圭介(入ってきた男)「今回は悪い方かな?あんま勉強しなかったし。平均で75くらい?」 達也「嫌みか!相変わらず頭いいな。」 圭介「頭の悪い奴嫌いだし。」 達也「いつも言ってるあれだろ?なんだっけ、学力じゃなく人間的に頭の悪い奴。」 圭介「そう!人間的!」 ガシャーン。 廊下の方で何かが割れる音が響いた。 教室の生徒は皆、話しを止め静まり返った。皆何も言わないが、廊下で何が起こっているか大体想像できていただろう。 この学校は決して荒れた学校ではない。一部を除いては。 廊下の声1「ぶっ殺すぞ。」 廊下の声2「やってみろよ。」 二三回暴言が聞こえて、余計に騒がしくなった。 教室の皆も慣れてしまっているのか、もとの大きさの声ではないがまた話し始めた。 圭介「また始まったよ。本当ウンザリ。なんであんな奴らがこの学校にいるんだ?あれこそ正に人間的に頭の悪い奴らだよ。くずだね。」 達也「………………。」 廊下は相変わらず騒がしい。 ガラガラ。教室のドアが開いた。 教室の皆は一瞬静かになり固まった。圭介が入ってきた時とは空気が違った。 先生「皆さん廊下は危ないので教室から出ないで下さい。」 ドアから姿を見せたのは先生だった。 教室の皆はそれを見て安堵の表情を見せたが、直ぐに騒がしくなった。 教室の生徒1「まじかよ!まだ昼飯買ってないのに。」 教室の生徒2「友達に教科書返さなきゃいけないのに!」 先生「そういう事だから出ないように。いいな!」 先生はその言葉を押し付けて、教室から出て行った。 先生が出て行った後も教室の中は文句が飛び交い騒がしくなった。 圭介「本当迷惑だ。無関係な俺達も巻き込まれてんじゃん。」
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