それは神聖なる狂気であった

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  「……おい美慎、いつまでここに座ってるつもりだよ。ほら、いい加減帰るぞ。」 「はーい。ねえ、英君立たせてー。」 「ばか、自分で立てよ。ったく仕方ねえなあ。」 しっかりと僕の手を掴む手、英君には可哀想だけど、でも、きっと僕はこの手を離すことはないんだろうと思う。 僕は確かに彼のことをそういう意味では好きじゃない、だからといって彼を突き放すなんてことは出来なかった。彼を離しがたかったのだ。他の誰かにあげるくらいならいっそのこと飼い殺しにしたいと思うほどに。 ずるいのはいつだって僕だ。 (恋愛とは神聖なる狂気である)  
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