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殺人犯・川島 歩・午前2時06分。
「はぁはぁはぁ」
俺は自分の手のひらが赤いことに気づいた。
カランカランと、包丁が地面に落ちた。
意外なことに、俺はとても冷静だった。牧野春香の死体を風呂場に沈め、蓋をした。
水の中に沈めておけば、臭いがマンションの住人にバレるまで時間がかかる。
指紋を念入りに落としたところで意味は無い‥もし死体がバレたなら、その瞬間には俺が殺ったものとたちどころにバレてしまう。
俺は自分の財布だけを持って家を出た。携帯は場所がバレるため、家に置いた。
いつもより早足な自分がいる‥落ち着け、大丈夫だ。バレるまでには時間がある‥1ヶ月は安泰と考えていい。
俺は自分の心に言い聞かせながら、マンションを後にした。
まず俺が向かったのは、近くのコンビニだ。ここで金を下ろし、同時に食料も買う魂胆だった。
それがまさか‥あんな事になるなんて……思いもしなかった。
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