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『ちりとほこり』
瞼を閉じた空蝉の
闇に浮かぶは在りし夢
瞼を開けた現実の
光が運ぶ嘘と影
愛されようなど思わない
ココニイルのは落ちた塵
愛そうなどとおこがましい
ココニアルのは散る埃
あなたのそばに行こうとも
降りゆく雨に地を舐めて
あなたがそばに来ようとも
舞吹く風に散らされて
今はただただこの場所で
君の消え去る時を待とう
君を忘れるその日まで
枯れた桜に身をまかそう
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