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ずっと抱きついている慧を引き剥がし、廊下にいる悠の元へと歩いていく。
「どうした?」
「あっおはようございます。あの、これ…」
軽く礼をした悠が渡してきたのは昨日貸した俺のブレザー。
「あぁ」
「すいません、朝寒いのに…」
「いいよ、気にすんな」
「あのっ、遥斗さ「はーるとっ♪」」
何か言いかけた悠の言葉を遮るように、慧が後ろから顔を出した。
「あれ?お前確か2年の…」
「岡崎悠です」
「あぁそうそう!なんでお前が遥斗の制服持ってんの?」
「あ、いや、その…」
慧からのいきなりの質問に戸惑っている悠を見て俺が代わりに口を開く。
「昨日の雪で制服濡れてさ、そんとき悠に会って。ほら、俺ん家乾燥機ないから代わりに悠に頼んだんだよ」
こんな説明でいいのか、てか嘘つく理由も特にないんだけど。
「なるほど!まったく、遥斗は人任せにしすぎなんだよな~」
「誰がいつ人任せにしてんだよっ、てかもういいだろ。悠、わざわざさんきゅ」
悠に教室に戻るよう促して、自分の席に戻ろうとした。
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