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    「あっ遥斗さん!」 名前を呼ばれて、制服の裾を掴まれた俺は振り返る。 「ん?」 「あの、よかったらたまにはサッカーの練習に来てください!先輩たちが引退して少し盛り上がりに欠けてるというか…」 正直驚いた。 俺なら先輩達が引退したら自由に練習することができるって喜んでたのに。 礼儀としてなら会った先輩に「来てください」なんて心にもないことは言っていたが。 「あぁ、気が向いたら行くよ」 「本当ですか!待ってます!!」 無邪気に笑うコイツが可愛くて、無意識に悠の頭に手を乗せていた。 「頑張れよ?練習」 「は、はいっ!待ってます!」 素直で一生懸命な後輩は可愛い、悠を見ていてそう思った。 面倒くさがりな俺は、人とのコミュニケーションは必要最小限にしてきた。 だから同じ部でも絡んだことのない奴はたくさんいた。 何がきっかけだとしても、後輩とこうして絡んでみるのも悪くないと今さら思う。 .
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