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「何してんの?」
ベンチの前まで行き、その人影に話しかける。
すると突然話しかけられて驚いたのか、ビクッとして顔を上げた。
「悠?」
それはサッカー部の後輩、2年の岡崎悠(オカザキユウ)だった。
あまり後輩と絡むことのない俺だったが、悠はサッカー部に入ってすぐにレギュラーになったため、名前だけは覚えていた。
部活以外で話したことはなかったけど。
「っ!遥斗さんっ」
「…お前、泣いてんの?」
暗くてすぐには気づかなかったが目は真っ赤で、頬には涙の跡が見られた。
「あっいや、これは…」
必死に涙を拭き「なんでもないです」を繰り返しているが、その声は鼻声で震えている。
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