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俺は着ていた自分の上着を脱ぎ、ソッと悠に掛けた。
「っ?あのっ…」
「いいから、着とけ」
「や、でも遥斗さんがっ――」
「俺はいいから」
そこまで言うと悠は黙って、俺の掛けた上着をギュッと掴み、「すいません」と小さく呟き、声を押し殺してまた泣き出した。
俺は悠のすぐ隣に移動して、震える肩を抱いて引き寄せた。
「思いっきり泣けよ。その方が気が楽になる」
そう言うと悠は堰を切ったように声を上げて泣き出した。
そんな悠を俺は黙って肩を抱いていてやった。
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