虹の鳥

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 かみさまはぼくをみて右手を高く掲げました。 「わかった、ならばおまえの願いをかなえよう。おまえが生まれたらおまえの体を七色の羽で包もう、願いをかなえるたびにその羽は抜けて最後ははだかの鳥になってしまうがそれでもかまわないか?」  ぼくは「かまいません。」と言う。  ぼくの気持はかわらないもの、ぼくがまだ知らないぼくが生まれてくるはずだった世界を少し幸せにできるなら、たとえそれが醜く汚れた世界だったとしてもぼくは生まれてこれて幸せだと思えるから。 「それではおまえを今度の鳥生に送ろう。次に目が覚めた時におまえは七色の鳥になっている。」  スッと世界が暗くなってぼくはせまい、でもあたたかくてずっとここにいたいような場所に落ちて行きました。  ずっとここにいたいって思ってるはずなのに、それでも外に出なくちゃって思ってぼくはくちばしでそこらじゅうをつつき始めた、まるでそれが初めから決められていたかのように。  暗いところから明るいところに出て、そうしてぼくは新しい命を得た。
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