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ぼくははばたきました、大空に向かって。
夜でもよく見える目はないけれど、ぼくは夕焼けの空を飛んでいました。
まわりは暗いのに一か所だけ明るいところがありました、ぼくの暗いところがよく見えない目でも少しは分かる場所。
いっぱい人がいて、すごくうるさい場所だったけど、ぼくはたのしそうな場所だったのでそこを気持ちよく飛んでみました。
そうやって飛んでいるとぼくはこんなにたのしそうな場所なのに、ある一件の家にいる一人だけ悲しそうなおねぇさんをみつけたました。まわりは明るいのに暗い表情でじっと下を見ているのです。
ぼくは気になっておねぇさんに話しかけました。
「おねぇさん。どうしてこんなに楽しそうな場所なのにそんなに悲しそうなの?」
おねぇさんは答えます。
「わたしはね、幸せじゃないの。おかねがわたしには足りないのよ。」
「おかねがあれば人は幸せになれるの?」
すぐにぼくはおねぇさんに聞きます。
「おかねだけで人は幸せになれないわ。でもね、おかねがあると人の幸せは豊かになるのよ。」
「じゃあ、おねぇさんにおかねをあげよう、それはそれは使いきれないほどに、」
ぼくが羽を広げるとその羽の一つ一つが、まばゆいばかりの宝石になりました。
ルビー、サファイア、エメラルド、どれを見てもとても綺麗でおねぇさんは大喜びで家から飛びたして行きました。
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