虹の鳥

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 おじさんは大喜びで働くようになりました、世界中の多くの人がおじさんの指示の通りに働きます。  世界中の多くの人がおじさんのために働きます。  世界中の多くの人がおじさんのことを信じて働いています。  そして、しばらくしてからぼくは、もう一度おじさんのところに行きました。 「おじさんは今楽しい?」  ぼくは前と同じことを聞きます。 「初めは楽しかったよ、」 おじさんは疲れた顔で続けます。 「でもね、私は今はもう楽しくないよ。」  ぼくが「なんで?」って聞くとおじさんは話してくれました。 「私ひとりの判断で一度に大勢の人が幸せになってくれるんだ。でもその逆のときもある、今だってずっと考えている。」 「もし私が間違った判断をしたらその時に誰かがどこかで不幸せになっているんじゃないだろうか? ってね。」 「だから私は思うのさ、実は以前の私は結構楽しい日々をすごしていて、今の私は楽しくないのではないかとね。」 「本当に欲しいものはものはいつも手に入らないところにあるものさ、だから人は欲しがるんだ、鳥の君にはわからないかもしれないけれどね。」  おじさんの言うとおりぼくはあまりおじさんの言うことが分からなかったけれど、おじさんが今楽しくないことはわかりました。  ぼくにもっと早く飛ぶ力があればおじさんに世界中に不幸せになってしまった人がいないか伝えることができたのに。  でもしかたない、ぼくは誰よりも早く高く飛べる羽の代わりに願いをかなえる翼を選んだのだから。
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