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別に人を殺そうなんて考えてはいなかった。ただ、ちょっとやりすぎてしまったのだ。
ただちょっと殴っただけ。それだけで人はコテリと動かなくなった。
恐怖というより、優越感が体を駆け抜けた。
僕は人を殺した。
どろり、と手から赤い血が肘まで伝わってくる。
どうってことはない、だって舐めればいいんだから。
僕は狂っている。それだけはわかっていた。
「こんにちわ坊や」
いきなり声をかけられた。凛とした美しい声。
「世の中も便利になったわよね、だってあんたみたいな小僧が簡単に人を殺せるんだもの」
慌てて周りを見渡す。しかしその姿は見えなかった。
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