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昴には重要な疑問が残されたままである。昴は万を辞してその疑問をマリアに尋ねた。
「では、何故いまは俺が話せるんですか?」
「私があなたのリミットを切り替えているからでございます」
昴の腕時計には5月1日(木)4時15分と表示されている。
今は話せる。動ける。時計も見える。
マリアの言う通りだとしたら、今だけリミットが外されているということになる。マリアはリミットを操れる。だとしたら、外したままにすることも出来るはずである。
「リミット外したままにしておいてもらえませんか?」
マリアの色白な顔は、暗闇を一掃する激しいキャンプファイアーのごとく豹変した。
「それは、絶対に、出来ません!」
穏やかだったマリアの口調が荒々しくなっている。
「あなたの夢の特殊効果には超絶な力があるからですから!」
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