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昴はゆっくりとまぶたを開けていく。視界は明るくなっていくが、昴の視界には人の顔しか入っていない。
すっと通った鼻筋、長く茂った睫毛、程よい大きさの唇、毛先にくせのあるショートヘア――ズームされた少女の顔である。
昴と少女は互いに向き合うように横向きで寝ていて、寝ているうちに2人の距離が近づいていたのである。
一瞬、カーテンの隙間から光が差し込んできて、2人の顔にあたった。その光は昴には吸収され、少女には反射される。
黒髪で色黒な昴は光を吸収し、ブロンドヘアで色白な少女は光を反射したのである。
昴は少女から少し離れた。少女を起こさないように気をつけ、携帯電話で時間を確認した。液晶パネルには5/1(木) 5:10と表示されている。
昴はダブルベッドからフローリングに降り立った。忍び足で部屋から出て、リビングにむかった。
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