出会い

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「…うぁ!」 動揺を隠しきれず、制服を持ったままの手で必死にジェスチャーをする。 「ご、ごめんなさい。あの、今のは無意識で!なんか恥ずかしかったからとっさに…。って、今のほうが恥ずかしいんだけど…。」 あきらかにおかしい日本語を使いながら、一気にまくしたてる。 「ふっ…。」 笑い声が聞こえて、結衣は声のしたほうへ目を向けた。 「その分なら、もう大丈夫だな。」 初めて見た彼の笑顔は、頭を撫でてくれた手と同じように温かくて。 しばらくの間、目が離せなかった。 "トクン、トクン…。" 【なに、私ドキドキしてるんだろう…?】 「桜…?」 「あ…ご、ごめん。」 名前を呼ばれて我に返ったが、ふとそこで、あることに気がつく。 「……あれ?なんで私の名前…?」 【私、この人に名前教えてないよね?】 「…。」 一瞬彼の表情が固まった、気がした。
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