好きでいていい…？

出会い

｢名札…。｣

そう言われて、目線を左下に向ける。

｢あ！そ、そっか。｣

【さっきから何やってるのよ、私！！】

｢桜って…天然？｣

｢うっ…。｣

核心をつかれ言葉に詰まる。
さらに恥ずかしさが増し、早くこの話題から逃れたくて、別の話題を探した。

｢あ、あの。あなたの名前は…？｣

｢俺は朝比奈…。"朝比奈 悠斗"(あさひな ゆうと)。｣

｢朝比奈…くん。｣

何か頭に引っかかりを覚える。

【聞いたことあるような…？て言ってもどこかでは耳にしてるか。】

このときは特別気にする様子もなく、ただの考えすぎだと自分に言い聞かせた。