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足音のする方に視線を動かすと、そっとカーテンが開き
自分の上にかけられていた制服と同じ色が目に留まった。
「あ…。目、覚めた?」
どこか聞き覚えのある優しい声に、少しずつ状況を把握し始める。
【確か、この人に助けられて…。】
「ごめんな。毛布とか見当たらないから、とりあえずその場しのぎくらいにはなるかと思って。」
そう言いながら結衣の傍にゆっくりと歩いてきた。
よく見ると、彼の上半身は白いシャツに紺のネクタイのみ。
「う、ううん。謝るのは私のほう……。」
最後まで言葉にならなかったのは、突然額に手を当てられたから。
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