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"ドキン"
自分の体温より冷たいと感じたからなのか、急に触れられたからなのか、動揺してしまう。
「え…あ、の…?」
助けてくれたお礼とか、聞きたいこととか…。
たくさんあるのに…。
「まだ、熱いな。」
「へ…?」
そこでやっと熱を測られていたことに気付いた。
「もう少し眠ったほうがいい。まだ、時間はあるから。」
そう言って首元まで制服を掛けなおされる。
「時間…?あ、入学式!」
「おい、急に起き上がったりしたら…!」
「いっ…!」
とっさに起き上がろうとしたが、頭がズキンと痛くなり額を押さえ込む。
「落ち着け。大丈夫だから。」
ふわりと頭を撫でられる。
【あれ?まただ…。知らない人のはずなのに、すごく安心する。】
それがなぜなのか答えは出ないまま、また意識が遠のいた。
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