2.あれからとそれから

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「瑠璃峰杏奈さんをご存じですか?」 どう切り出したらいいかは最後まで迷ったけど、やっぱり単刀直入に尋ねることにした。 文矢さんも仕事があるだろうし、これは私の個人的な疑問、というか懸念なのだから。 「ええ。瑠璃峰財閥のご令嬢ともなると、編入ひとつをとっても大騒動でしてね。色々と、大変なようですよ」 理事長各位運営者の方々の苦労は察して余りあるけど、それは置いておくとして。 「彼女と弦の関係も、ご存知ですか?」 「……ええ。実をいうと彼女が昨日、私の家まで訪ねてこられまして」 「お家にですか!?」 なんという行動力。 普通に迷惑だよ。 「夜の8時頃でしたかね。黒服の集団を引きつれていなかったのが救いでしたが、それでも驚きましたよ」 絢爛豪華なあの部屋の出来栄えをみる限り、黒服の集団というのもあながちありえる話だ。 「どういった話を、されたんですか?」 「それはまぁ、色々と。耳の痛くなる話を聞かされました」 まだ酷い頭痛が残っているのです、とはにかむ文矢さんの顔色は心なし優れないようにみえる。思い過ごしだと信じたい。 「私がまだ五体満足で生きていることが不思議ですよ」 「ええっ!?」 そんなに重い話!? てか弦、あんた一体何をしでかしたのよ!!
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