2.あれからとそれから

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「それから……あの、全く関係のない話なんですが」 「?」 「えっと……」 「先程は厳しい物言いをしましたが、課題については普段通りやっていただければ問題はありませんよ。いつもとても良く書かれています、楓さんについてはね」 玲央については? 「えっと、そうじゃなくて……」 「弦ですか」 「……えぇ」 「残念ながら」 「そうですか……」 返ってくる言葉は毎回同じ。 そうだとわかっていても聞かずにはいられない。正直文矢さんもうんざりしているだろうし、私としても定型句のように同じことを聞くというのは、未練がましくて嫌気がする。 「全くあの放蕩息子は、楓さんという人がいながら一体どこで何をやっているのやら」 こんな私にも穏かな笑みを向けてくれる文矢さんは、やっぱり凄い人だ。 「ちょうど頃合いですし、どうですか、学食にお昼を食べにでも」 辛気臭いムードは終わり、ということらしい。 玲央といい、文矢さんといい、私は周りの人に恵まれている。 「……ありがとうございます」
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