1.桜は散り、風薫る

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「えーと……、もしもし?」 「あ、はいっ!」 目を奪われるとはまさにこのこと。一目彼女を見た瞬間、雷にうたれたかのように身体中に電撃が走った。 これが噂の一目惚れ……いやいや。 「驚かせてしまってごめんなさい。道を伺いたいのだけど、お時間いいかしら」 これはご丁寧に。逆にびっくりさせてしまってごめんなさい。見とれてしまいました。 だって、こんなきれいな人初めてみたんだもん。 ウィンクしたら星がこぼれおちてきそうなくらい煌めく瞳。 クレオパトラもハンカチを噛みちぎりたくなるであろう整った鼻筋。 偶像崇拝の理想形、女性像のイデアを想起させる完璧なプロポーション。 というかこんなに艶のある茶髪はトリートメントのCMの中でしか見たことがない。それをCGも映像加工もないリアルで実現できるなんて。地毛で茶髪の私としては、これが希望なのか絶望なのかわからないなぁ。 って私は何を長々と解説してるんだか……。 それでも言い表せない彼女の美しさは一体何万テルスですか、ダヴィンチさん!? 発せられるオーラと輝きは何万ルクス!?私、まぶし過ぎて直視できません!!絶対モデルさんか女優さんだよ、この人。
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