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「ほらあの子よ、最近こっちに来た……」
「ああ……確かに兎からの報告だと男だって言ってましたね」
「じゃあほぼ確実ね。どういう経緯でここに来たかは分からないけど、このまま放って置くわけにはいかないわね」
「あ、それについても報告が……」
「何かあったの?」
「あったというか……さっきまでここに居た姫様の思い人がそっち方面に向かって帰って行ったんですけど……」
「そうなの?じゃあ安心ね」
「安心っちゃ安心でしょうけど大丈夫ですかね?」
「心配は無用よ、あの子ならね」
「そうですか……」
「ところでてゐ、あなた殺し合いの後片付けは済んだの?」
「いえ、まだですよ?」
「さっさと戻ってあげなさい、どうせうどんげに任せっきりなんでしょう?」
「さすがはお師匠様、慧眼!」
「おだてなくていいから行ってらっしゃいな、まったく……」
お師匠様と呼ばれた女性は深くため息を吐いた。
場所は戻り、迷いの竹林一蹴遭難場所へ……
僕はまだどうすることも出来ず、寒さに震えていた。
のだが……
「あれ……?」
何故か急に辺りが暖かくなってきた。
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