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それと同時に何者かの足音も聞こえてきた。
「っ!?誰っ!!?」
僕は叫び辺りを見回す。
その瞬間、僕の眼前に人間の拳が見えた。
…………え?
心の声は表には出ず、僕は意識がぶっ飛んだ……
「あれ……?普通の人間?」
気絶する一蹴の近くに一人の少女がいた。
少女の赤い瞳には気絶している一蹴が映っている。
「うーん、放置しちゃあ……駄目だよなぁ」
少女は後ろ手で頭をぽりぽり掻きながらどうしたもんかと考える。
しばらくして少女はやれやれといった様子で一蹴を背負う。
「こいつ軽いな……ちゃんと食べてんのか?」
そんなことを呟きながら少女は歩き出す。
「おい、在(い)るんだろ?出てこい!」
「どうした……?」
「どうした、じゃない!どういう事だ!説明しろ!!」
「何のことだ?さっぱりだ」
「知らないとは言わせないぞ!なんで……なんで……!!!」
「少し落ち着いたらどうだ?」
「このっ……!」
「お前の言いたい事は分かっている。しかし私は言ったぞ?代価はこちらが勝手に決めると……」
「確かにお前はそう言った、しかしその代価の対象がわざとにしか思えないぞ!」
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