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「まぁもし一蹴に関係があることならいずれ知ることが出来るだろう?」
「いつの話になるんですか、それ……」
「いつだろうな、ふふっ」
いじめられてる……
「だがまぁそろそろじゃないか?」
「……といいますと?」
「時間だよ、そろそろ」
「え……ああっ!」
外を見れば日は沈みそうな場所にあった。
これ以上長居してたら、前みたいに霊夢を待たせてしまう。
「早く帰らなきゃ!」
「気をつけて帰りなさい」
「はい、ありがとうございます。お邪魔しました!」
僕は慧音さんに見送られながら早足に慧音さんの家をあとにした。
「……行ったか。さて、私も準備するかな」
だから慧音さんのその言葉を僕が知る由もなかった。
「はっ……はっ……はっ」
息を切らしながら神社の長い階段を上がっていく。
「あと少し……!」
疲労の溜まった身体に鞭打ち、最後の段を上がった。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
上りきった場所で少し休憩し、息を整える。
「ふぅ……」
深呼吸を一回して少し落ち着いた僕は、顔を上げる。
視線の先にはいつかのように賽銭箱に座っている霊夢がいた。
「霊……夢?」
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