ほとりにて

2/10
前へ
/69ページ
次へ
はじめまして。 私は旅人。 今までたくさんのものを見てきた。 きれいなもの、汚いもの、おもしろいもの、つまらないもの、話したいことがたくさんあるんですよ。 その中で、この退屈な話に付き合ってくれるとは実にうれしい。 これはあるひとりの人間が、いわば三重人格に悩むお話。 今思えば、あれほど愉快でつまらないものはなかった。哲学とでも言うのだろうか。似ても似つかない。                  あれは・・夏の暑い日、私が大きな川のほとりで休んでいるときだった・・ひとりの顔立ちが若い帽子をかぶり黒いシャツに灰色のジーンズをはいた人間がわたしに話し掛けた・・。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加