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その少年は片手にパンを食べながら携帯で天気予報をチェックしていた。いつも通りに起きていつものように準備を着々と進めている。だが、いつもと違う事がこの朝起きてしまったのだ。
少年がいつものように洗面所で顔を洗っていた時だ。ふいにインターホンが鳴ったのである。少年は新聞配達の人にしては早いな。と思いながら玄関の戸を開けた。そして小さな後悔をしてしまったのである。
「よぉ !! 岬おはよ。しばらくの間お前んちにいさ」
岬と呼ばれた少年は片手を挙げていた相手が言い終える前に戸を閉め、戸を挟みながら言葉をかけた。
「なんで絢がいるん ?! 朝早いし、おまえまだ寝てるはずやろ !?」
クセのある関西弁を吐きながら岬は恐る恐るもう一度戸を開けると先程の少年が苦笑しながら硬直していた。そしてその絢と呼ばれた少年はゆっくり口を開け何かを言おうとしていた。まるで言いたい言葉が見つからなかった時のように。しばらくそうしていると静かに一言だけ告げた。
「お前そんな酷い奴だったけ ?? 」
「はっ ?? ちゃうし。いいから入れや」
やりぃとでも言うように絢は俗に言うどや顔で岬の家の敷地を堂々たる態度でまたぐ。
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