0話:思考

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もともとの俺は、ずっとだらだらと生きてきた。 流されるように、惰性が俺の身体を動かしていた。   学校へ行く。食事をする。バイト。寝る。 そんな決まり切ったルーチンを、毎日こなすだけ。   たまに暇な時は、ケータイゲームで時間を潰す。 とにかく、ルーチン以外の時間を埋めるためだけに。 俺はそうして不毛な時間を費やしていく。   けれども段々と、俺はそんな人生に嫌気がさしてきた。 何か、もっと楽しいことが起きないだろうか。 生き甲斐を感じられるような、何かはないだろうか。 いつからか、そんなことを頻繁に考えるようになっていった。   しかし、結局のところそれは神頼みであり他力本願。 自分でその現状を打破出来るだけの力はなかった。 そうするだけのやる気なんてものは、最早なかった。
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