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月が微笑むときはどんなときでしょう それはきっと雲一つなく星々が輝いて 眠れる草木にささやかな風をおくるときでしょう 溜息にも似た風ですから きっとそのようでしょう そんなことを考えながら 暗い夜道を一人歩きます いつもいつも月がそのように笑ってくれるとは限りません 月だって 怒ったり泣いたりするときもあるでしょう だからそんなときは一人は嫌なのです 月が微笑むときはどんなときでしょう それはきっと 雲一つなく 星々が一つまた一つと消えていくのを 悲しそうに思うあなたを見ているときでしょう それはきっと 昔々のことを思い出しているからでしょう そう 過去にも同じようなことがあったから 今日こそは笑っていたいと思ったのでしょう
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