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「やばいって!彼女ヤられちまうぞ」
「あのまま連れてかれるぞ」
鍵谷が焦って俺の肩を揺さぶった。
「レオ、なんとかしようや」
「………」
俺たちの見てる目の前で、彼女の口に手垢のついた汚ねえハンカチが詰め込まれた。
「ぐ、んぐ、ん、!」
彼女が涙目になって口に詰め込まれたものを掻き出そうとして、その細い手を男達に押さえられた。
あとは5、6人で囲ってトイレに連れ込むだけだ。
「レオ、連れてかれちまうって!」
体を振り回されて俺は重い腰を上げ窮屈な人混みを掻き分けて彼女の元へと歩む。
近づいていくと、猛獣のように性でギラギラした男が俺に気づいて睨んだ。
「てめえは引っ込んでな」
「おめえには関係ねえ」
「なんだと?」
目をつり上げ俺に触れようとした男の足を払った。
音を立てて無様に転がる男。
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