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「あんた、俺がどういうヤツか知ってんの?」
この次の言葉で完全に彼女は俺に怯える。―――そう思った。
少し口にするのを迷い、それでも次の瞬間には彼女ははっきりと告げた。
「はい、知ってます」
「あ?」
耳にしたことが嘘だと。
俺の聞き間違いだと耳を疑った。
「大神、玲央さんでしょう。大神組の、」
「知ってんならなんで」
「わたしは前から玲央さんのことを知ってたから」
彼女は俺に怯えるどころか、かえって嬉しそうに呟いた。
「前にも一度電車の中で助けてもらいました」
???
「同じ駅から乗るんですよ」
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