日常終了

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……俺は今、悪夢の一歩手前にいる。 全校集会が終わり、教室に戻って、 特に何もないから帰っていいと先生に言われていたので帰ろうとしていた。 ……しかし今は帰れる雰囲気にない。 「さぁ、かかってきなさい!」 俺の席の目の前の、自信満々の笑みを浮かべて座っている女子が叫んだ。 …自分の席のように座ってるけど、そこはその女の席じゃない。 俺の右隣で呆れた顔をして立っている、幼馴染みの席だ。 他人の席を占領しているその女は、勝つのは私だ!と言っているかのような雰囲気を漂わせている。 「勝つのはあたしよ!!」 ……実際に言ってるし。 その周りを、俺の親友を含むクラスメイト達が囲み、真剣な表情で見守っている。 …右隣の幼馴染みは、興味なさそうにあくびしてるけど。 さて。 何故こんなことになったのか。 …ちょっと今日一日を思い出してみることにする。
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