日常終了

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七海の部屋の前に到着すると、早速ドアをちょっと強めにノックした。 「七海!起きろー!」 すると、今まで静かだった部屋の中が、バタバタと騒がしくなる。 もっと早く起きてくれよ……。 七海は基本的に起きるのが遅い。 故に遅刻回数がとてつもなく多い。 そのため七海が中学生になった時、母さん達から『七海が遅刻しないように、一緒に登校してほしい』と頼まれた。 今までのように遅刻ばかりだと、高校進学に響くからだ。 …正直、もっと前にどうにかするべきだった気がするけど… まあ別に嫌ではなかったので承諾。 七海は大喜びで了承した。 なぜ大喜びか? それはこの後すぐ分かる。 そして一緒に登校し始めたのだが、俺が高校生になった今も一緒に登校している。 七海を起こしにきて一緒に登校するようになって、今年でもう3年目。 今こうして2階と1階を往復しているのも、すでに日常の行動の1つと化してしまっている。 …にしても。 部活の朝練がある日は普通に起きれるのに。 どうして普通の日は起きれないかな…。 そんなことを考えながら突っ立っていると、突然目の前のドアが開いた。
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