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「ちょっ、まっ、見えるから、見ちゃいけないもの見えるから…!」
「なにをそんなに慌ててるんだい?それに見えるって、べつに見られて困るものないよ?」
もう、なんなんだ。たまにジンはよく分からないことで慌てる。そんなに慌てる暇があるなら立てばいいのに。ジンは、僕の足下から顔を背けたまま、横目で僕をチラチラ見上げていた。
「お前がよくても、俺は、困るんだよ…」
「え?」
ジンの顔が真っ赤なことに今気付いた。
「久しぶりで、こいつが無防備なのを忘れてた…」
ジンがぼそぼそと何かを呟いてるんだけど、何て言っているのか分からない。
はぁ…、よく分からないけどとりあえず起こそう。ご飯もおごってくれるっていうし。
手をつかんだだけじゃ起こせないし、腰の辺りから持ち上げるか。
「うおっ!クレイ!なんで抱きつくんだ!?」
「なんでって…手をつかんだだけじゃ、ジンは重くて起こせないからだよ?」
「お、おお、おきる!自分でおきる!」
ジンは足の間に割って入って、腰に手を回そうとしたら、いきおいよくジンは立ち上がった。
「じゃあまたあとでくるわ!ズボンと上着を着おわったらおしえてくれ…!」
そういうと、ドアに向かって走っていき部屋をでていった。
「なんだったんだろう…」
よく分からないけど、ちょっと寂しかった。
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