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とりあえず服を着て、ジンを追いかけよう。
孤児院で一緒に暮らしてたときは、抱きついたり、だらしない格好してたりしてても、あんな風に距離を取られたことなんて無かったのに…
なんて考えながら、ソファーにかけておいたカーキ色のスキニーを履いて、上にジャケットを羽織った。
部屋を出ると、廊下の壁に寄りかかって腕組みをしたジンが立っていた。
「よかった。全然遠くに行ってなかったんだね」
「まぁな。クレイはこのガレージにまだ慣れてないだろうし、迷うだろうと思って待ってた」
ジンは壁から背を離すと、こちらに向き直ってそういった。
「さっきは悪かった」
「え?い、いや大丈夫だよ!気にしてないから」
突然謝られて狼狽えてしまった。寂しいなんて思った、僕の気持ちを見透かされていたようで、今度は恥ずかしくなった。
「そ、そんなことより、ご飯は?」
ご飯の話題に無理やり切り替えて、恥ずかしさをどこかにやりたかった。突然謝ったのは、僕を傷つけたんじゃないかと、きっと思ったんだろうな。昔からジンは優しい、いいやつだ。
「そうだったな!じゃあ飯にいくか!連れてくから一緒にいこうぜ」
「うん!」
そうして二人でご飯を食べにいくことになった。ご飯食べながら、ここでの生活のこととか、レイブンとしてのノウハウとかいろいろ教えてもらおう。
何を聞こうかな、話そうかななんて考えてワクワクしていた。
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