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プリクラ機の前で膨れっ面をしているいちご。
そんないちごに、翔はプリクラを渡した。
「ほら、機嫌直してよ」
なんて、翔が声掛けするも、プリクラを受け取り、更に怒るいちご。
「だって…ほっぺにチュウだって、あたしにとっては、大切だったのに」
簡単に許せるわけないよ。
だって、あたしには
許せるだけの寛大さも
経験もない。
となりにいる翔くんのように、涼しい顔して居られるほど、大人じゃないの。
「でもな、いちご。外国の人は挨拶で、ソレするんだよ?俺も、いちごとスキンシップ取りたかったからしちゃったよ」
なんとも胡散臭い言い訳。
でも、余りにも必死な翔くんを見てたら、自然と許したくなっちゃったよ。
「もう、しないでね?」
すると、翔くんは微笑み、あたしの頭を撫でた。
「ゴメンな」
ドキンッ
撫でられた瞬間、いちごは一瞬胸が締め付けられた。
何?
さっきより、もっと胸が痛い。
あたしは、そっと胸に手を当てた。
「どうした?」
そんなあたしを見て不思議そうに、首を傾げた。
「え?ううん、何でもないよ」
あたしは、にこりと笑顔を向けた。
「おし。じゃあ、次は何する?」
翔くんは自然な流れで、あたしと手を繋いだ。
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