3:買い物

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プリクラ機の前で膨れっ面をしているいちご。 そんないちごに、翔はプリクラを渡した。 「ほら、機嫌直してよ」 なんて、翔が声掛けするも、プリクラを受け取り、更に怒るいちご。 「だって…ほっぺにチュウだって、あたしにとっては、大切だったのに」 簡単に許せるわけないよ。 だって、あたしには 許せるだけの寛大さも 経験もない。 となりにいる翔くんのように、涼しい顔して居られるほど、大人じゃないの。 「でもな、いちご。外国の人は挨拶で、ソレするんだよ?俺も、いちごとスキンシップ取りたかったからしちゃったよ」 なんとも胡散臭い言い訳。 でも、余りにも必死な翔くんを見てたら、自然と許したくなっちゃったよ。 「もう、しないでね?」 すると、翔くんは微笑み、あたしの頭を撫でた。 「ゴメンな」 ドキンッ 撫でられた瞬間、いちごは一瞬胸が締め付けられた。 何? さっきより、もっと胸が痛い。 あたしは、そっと胸に手を当てた。 「どうした?」 そんなあたしを見て不思議そうに、首を傾げた。 「え?ううん、何でもないよ」 あたしは、にこりと笑顔を向けた。 「おし。じゃあ、次は何する?」 翔くんは自然な流れで、あたしと手を繋いだ。
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